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同窓会
それから一時間ほど五十嵐を待って合流したが、五十嵐は富山の名前を聞いて眉をひそめた。
「富山って言ったら…お前が予言した一人だろ?」
そう彩香に訊いてきた。
「予言って?」
野本も彩香を見て眉をひそめる。
あまり良い記憶じゃない。むしろ、消してしまいたい過去だ。
「折原がいじめっ子に対して予言したんですよ。確か富山は……」
過去を振り返り、五十嵐は三人のいじめっ子の顔を思い出した。
「富山は…自殺する確率、70パーセント」
五十嵐の言葉と同時に、解剖室から出てきた緋浦が顔をしかめた。
「高すぎんだろ、その確率」
どんな計算したらそんな確率が出るんだ?…と、五十嵐を睨んで緋浦がつぶやくと、彩香は小さい声で「すみません……」と、謝った。
なんせ、幼いころにそう予言したのは彩香だ。
「でも…私の中ではほぼ100パーセントだと思っていたんですけど」
彩香がそう言えば、五十嵐や野本、緋浦も、顔をしかめて一斉に彩香に視線を向ける。
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