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「これまで見つかったのは左右の手の指が6本、どこのものとも分からない肉片が7つと、2分の1の肝臓、足の指が2本だな」
16個に分けられた遺体の一部が、コンビニやスーパーの商品棚や公衆トイレの中、パチンコ店やコインランドリーで発見されたという。
「ずいぶん細かく解体したんだね。それだけバラバラにしたなら相当体力も使ったと思うけど……」
彩香が言うと、五十嵐は肩をすくめて首を横に振った。
「どこでどうやってバラしたんだか知らないけど、とんでもないことしてくれるよ。この調子ならあと100件くらい瓶が見つかりそうだな」
人間一人をバラバラにしたとして、どのくらいの瓶が必要なのか見当もつかない。
その瓶も大量生産されたもので、あちこちに出回っているものだと言うし、大きさもまちまちだ。
「頭はどう解体するのかね……。俺はそれが一番気になってるし、骨は粉砕機でも使うんだか…とんでもない労力だろうな」
そう言いながら現場保存をしている鑑識官たちを眺めて、ため息を吐いた。
亡くなった人には悪いとは思っているようだが、本音としてはそこだろう。
自分の身体をここまでバラバラにする人が居たとしたら、それはどれほどの殺意なのか……。
目をえぐり出し、皮を剥いで肉をそぎ落とし、瓶に入れていくその執念はすさまじい。
しかし、定番のホルマリンではなく、アルコールに浸けたところを見ると、ホルマリンを手に入れらなかった…と、いうのが原因なのだろうか…とも思う。
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