見たい、見たい

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それから数日して登校すると、 「おっはよー。 見た、見た、見た! マジで歯医者さんイケメンだったね」 ナナが勢い込んで話しかけてきた。 「ナナ、本当に行ったの?」 「うん! イチゴが大橋先生よりイケメンって言ってたから気になっちゃって。 そうしたら本当にカッコ良くてビックリしちゃった」 「でしょ? あのキリッとした目が素敵じゃない?」 「うん。目もいいけど声もいいよね」 「うんうん。低過ぎず、高すぎず」 「なになに? 何の話? イケメンって聞こえたんだけど?」 私達がキャッキャッと盛り上がっていると、クラスの女の子達も机の周りに集まってきた。その中には例の歯医者さんを教えてくれたカエもいる。 「新しく出来た歯医者さんに行ったら、イケメンだったっていう話」 「え、どこの歯医者さん?」 「ウソっ、イケメン? 見たーい」 「どんなイケメンなの?」 みんなイケメンっていう言葉に弱いみたい。朝からテンションが異常に高い。 「ほら、カエが新しく出来たって言ってた歯医者さん」 私はカエに笑顔で話を振った。
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