見たい、見たい

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「あー、あの歯医者さん? あそこ確かに先生がイケメンみたいよ。 ママが近所の人と話してたら、素敵な先生だったって、言ってたらしいから」 「へー」 みんな驚嘆混じりの返事をしていた。 そんな風に感心されると、何だか通っている私も鼻が高い。だからつい余計なことを言ってしまう。 「彼女とかいるのかな?」 「なあに? イチゴったらカズ君っていう優しい彼がいるのに浮気でもするつもりなの?」 ナナが揶揄うように笑い、みんなも「そうだよ」と呆れたように笑ったり同意したりしている。 「そうじゃないよ。 あんだけイケメンなら彼女いて当然でしょ? あそこって働いてるお姉さんたちも美人だから、あの中に彼女いるのかなって」 「あー、確かにキレイな人ばっかりだもんねー。って、イチゴったら何でそんなにあの歯医者さん気にしてるの?」 「やっぱりイチゴ、それって」 「やめてよ、そんな筈ないでしよ?」 みんなが”おいおい“って顔をしたから私は慌てて否定した。 「大口開けてマヌケな顔見せてると思うとそんな気持ちになんかならないわよ。 それに私にはもっと気になることがあるんだから」 「何よ、気になることって?」 みんなが興味津々という顔で前のめりになった。
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