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二学期になり学園祭の準備が始まった。
私たちのクラスは部活をしている子が多いため、参加したいという意見が少なくて、残念ながら不参加となった。
そうなると校内の清掃、飾り付けが担当として回ってくる。
部活をしていない私とナナ、そして同じく帰宅部のカエ。
仲のいい三人で学校から近いカエの家に集まって花飾りを作っていた。
「イチゴはカズ君と学園祭一緒に廻る約束したの?」
カエが青とピンクの紙を折りながら私に質問してきた。
「うーん、一緒に廻りたいけど恥ずかしいし」
「今さら何言ってんの。
みんな二人が付き合ってるの知ってるし。ちょっとくらい二人で廻ってきたら?」
私が白とピンクの紙を折りながら答えると、ナナがさも当然というように口を挟む。
ナナはこういう細かな作業が好きみたいで端の部分をハサミで切ったり、中心に大きめのビーズをボンドで付けたりと、中々こだわりを見せていた。
「そう言われても、校内でこれ見よがしに二人でっていうのもねー。
それにカズもサッカー部の仲間と約束してるみたいだし」
「でもイチゴが誘えば、うん、って言うんじゃない?
行っておいでよ?
せっかく高校で彼氏出来たんだし。
今しか出来ないこと楽しまなくちゃ!」
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