10人が本棚に入れています
本棚に追加
ナナは手を休めて私に彼氏と見学に行くように促す。こんな時、ナナはいつも以上にお姉さんっぽくなる。
その横でカエも「そうだよ、行ってきなよ」と笑顔で同意している。
「考えてはみるけどね。
そう言うナナは委員会の先輩誘うの?
カエもワタル君を学園祭に呼ぶんでしょ?」
ナナは夏休みに入る前から同じ委員会の先輩に片思いをしている。
行動的な彼女は自分から、「学園祭、一緒に廻りませんか?って声かけてみようかな」って言っていたのだ。
カエには他校に同い年の彼がいる。
何度か顔を会わせたことがあるが、背が高く優しそうな男の子だった。
「うーん、まだ勇気が出なくて検討中」
「私もまだ誘ってないよ」
とここからナナの恋愛相談が始まって。
結局女の子はそんな話が大好きだから思い思いに語っているうちに7時になってしまった。
私とナナは慌てて花飾りを片付けるとカエにお礼を言って、家路に急いだのだった。
最初のコメントを投稿しよう!