10人が本棚に入れています
本棚に追加
真新しくキレイな歯医者さんの待合室には、運がいいのか悪いのか、私以外だあれもいない。
「初めてです」
受付で保険証を出しながらそう伝えると、
「ではこちらの用紙にご記入お願いします」
と笑顔の可愛いらしいお姉さんから問診票を渡された。それに必要なことを記入し終えるとスマホをカバンから出す。
そしてメッセージのチェックをしながら、自分が呼ばれるのを待っていた。
間もなく「佐藤さん? どうぞ」とこれまた美人のお姉さんが、マスクを着けながら診察室のドアを開けて私の名前を呼んだ。
私は診察室に入ると案内された治療用のイスに座って先生が来るのを待っていた。
診察室には先ほど私を呼んだ女性ともう一人キレイな女性がいる。
……ここって綺麗な人ばっかり。
顔で選んだのかな?
もしかしてここの先生ってエロ親父?
あー歯医者選び失敗したかもー。
なんて下らないことを考えていると、
「お待たせしました。佐藤、これなんて読むのかな?」
と若く柔らかな声がする。
視線を向ければ二重のキリッとした目元とシャープな顔立ち。マスクをしているのが残念だけど、一目でイケメンと分かる先生がカルテらしきものを手に立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!