第11章 人生だとか愛だとか

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でもなぁ。表面ではいかにも何でもない風を装いながら、内心でそっとため息をつく。今までの普段のいろんな局面での反応を見てる限り。彼はわたしが誰かと一緒になるとか、案外気にしそうな予感もするんだよね。 当初考えてたよりずっと心を許してくれてる気はするし。言いようによっちゃ懐いてる、と言えなくもない状態に近いと思うけど。だからといってやっぱり異性として見られてる気はしない。何となくお母さん的というかお姉さん的というか。頼られてる、安心されてるという感じ。 勿論それで充分だし嬉しい。けど、異性同士の感覚じゃない割には。わたしがプライベートで誰かとくっつくとかは知ったら気にしそう。 増して相手が青山くんときたら。どういうわけかこの人、奴を意識してて微妙に反撥心を覚えてる様子だし。わたしがあいつと結婚したりしたら、何となくもう、今まで通りじゃいられないんじゃないかって気が…。 それに青山くんの方だって、漠然とエニシダさんを敬遠してるというか警戒してるというか。わたしが奴の嫁になったら家政婦の日はともかく、モデルは続けられるかどうか微妙。まぁ、モデルしてるっていちいち言わなきゃそこは何とかなるか。それに今では火曜と金曜でやってる内容は結果ほとんど変わらない。だから週二回二時間ずつ通うぶんには問題ないとは思う。 でもこれまでみたいに仔猫の世話を理由に毎日入り浸るのは。…当然続けられなくなるわけで。     
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