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その日の夜、電気羊の夢を見た。 アンドロイドと羊の子供が、電気ウナギとの間に成した子供が、電気羊だ。 彼女はぼくの幼馴染だけれど、自ら生み出す静電気で、常に全身がパチパチ音を立てている。 「何だか美味しそうな匂いがするね」 と電気羊は、ぼくの胸元を嗅いだ。 「さあ、蒲焼きの屋台でもあるのかな」 夢の中のぼくは、そんな風に(とぼ)けた。 目が覚めてすぐ、自分の寝間着を引っ張って胸元を嗅いでみたけれど、それほど臭いはしなかった。
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