いずれ訪れるその時

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 目覚めて数日後。  すぐに身体は普通に動かせたけれど、私の目は光を感じることしか出来なかった。  今はもう回復し、通常に戻っている。  あとは随分と精神力を消耗してしまっていたらしく、ひたすらに眠い。  中学生の玉彦がお力を使っては、消耗したと言って寝ていたのを思い出す。  私は眠って回復を図っていたのだけど、日中数時間おきに様子を見に来る玉彦がそれを妨げる。  また起きなくなるのではないかと心配をしてくれるのは非常にありがたい。  でもその度に私に触れて確認をするので毎回眠りが浅くなる。  さすがに夜は玉彦も眠るので、私の眠りが妨げられることはない。  あれから、私は玉彦以外だと様子を見に来た澄彦さんと南天さんにしか会っていない。  今は身体の回復に努めるようにと言われ、清藤の粛清がどうなったのか聞けずにいた。  でもお屋敷の中に微かに黒駒の気配を感じるので、返終の儀とやらを行わずにいるのだけは判っていた。  私があんなことになってしまったから、予定を変更せざるを得ない状況になってしまったのだろう。  我ながら毎回毎回迷惑を掛けている。
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