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「これまでも、これからもずっと比和子だけだ……」
「うん。わかったから、戻ろう? 玉彦」
「比和子はどうなのだ……」
思わぬ反撃に、私は玉彦の頭に手を乗せた。
「嫌いだったらこんなに悩んでまで側に居ないでしょ。私、何があってもここに居るって決めて……」
そうだった。
何があっても、玉彦と共に在るって決めてたんだ、私。
例え玉彦の隣に私ではない誰かが笑っていたとしても、神守の者としてでも一緒にって。
「比和子?」
「なし! 今のなし! 努力はしないわ!」
「何を言って……」
「目が覚めたら、今まで通り。この件は忘れる。私、忘れるのには自信あるから!」
一方的にそう宣言して、私は柏手を大きく打った。
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