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正武家のお屋敷にて執り行われた玉彦と私の祝言は、朝から始まり夕方に終わった。
午前中は本殿にて、正武家の慣わし通りの儀式があり、正武家の当主が厳かに進めた。
本殿には人間は三人しかおらず、惚稀人願可の儀のように正武家に所縁のある神様たちがその姿を白く発光させて見守ってくれていた。
私の加護を担っている御倉神は真っ白な水干姿。
凄く不機嫌だったけれど、披露宴の席でお父さんが揚げを勧めればすぐにほくほくとしていた。
相変わらずそれがあれば良いらしい。
午後は神前式をお祖父ちゃんの家の裏山にある名もなき神社で挙げる。
これには普通に招待客も参列出来て、普通の結婚式。
本殿の時のただの白い留袖ではなくて、きちんとした白無垢を身に纏えばようやく実感が沸いてきた。
白無垢は嫁ぎ先のお家の色に染まりますって意味合いがあるけれど、正武家は基本何かがあると白なのであんまり変わり映えしない。
その後は再び正武家へと戻り、披露宴が開かれた。
皆あちらこちらへの異動で大変そうだったけれど、私も大変だ。
何せ正武家のお屋敷の石段を往復しなくてはならない。
しかも白無垢姿で汗だくものだった。
手を引く玉彦は紋付き袴でいつも通り和装だけど、私のリクエストで伸ばした長い髪が邪魔そうで。
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