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食べるものを、探す。
これは、生きている以上逃れられない宿命だろう。
生物は、食べなければ生きていけないのだから。
それに私自身、とてもお腹が空いている。
けれど、“主食”。
私は、その“主食”が嫌いだ。
その“主食”を食べることはしたくない。
それは、“人間”の……
だから、私は今まで一度も、満腹を感じたことがない。
もしそれを食べれば、私は“私”を成す根幹を保てなくなるだろう。
人格は、記憶によって形成される。
少なくとも私はそう思っている。
私には、この身とは違う記憶が、いくつもある。
そして、それは全て“人間”の記憶。
“人間”が生み出した“呪い”の記憶。
そして、殺しの記憶。
そんな記憶を、十四歳のこの身は持っている。
それも、一度でなく何度も。
何度も、何度も、何度も。
…………………………………………………………。
だから、私は、“人間”が嫌いだ。
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