17.コンチェルト

2/20

423人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「おはようございます!雅さん」 「お、おはよう…」 石原さんと話し込んだ後 いろいろと考え出したら目が冴えて、 結局、眠れたのは2時間ほどだ。 起きたら既に唯はベッドから消えており、 慌ててリビングに向かうと 石原さんが唯の髪を可愛く編んでいた。 「あっ、ごめんね唯ちゃん。 髪の毛3本ほど抜いちゃった…」 「うん、大丈夫だよ。 もしかして梨乃ちゃんって不器用?」 「あはは、バレちゃったか」 「心配しなくていいよお。 あのね、女のコはちょっと不器用な方が モテるんだってさ~」 「そんなこと誰が言ってたの?」 「えっとね、ミツくん」 「ミツくん、そんなこと言うの? なんだか最近の子はオマセだね」 「オマセって何?」 「大人のフリしてるってこと」 「え?だってミツくん大人だよ?」 朝食の準備をしながら、 2人の会話を盗み聞きしていた私は、 慌てて口を挟む。 「ごめん、石原さん。 ミツくんって光正のことなの」 「ああ、そうなんですか。 ふうん、へええ…。 私もそう呼んじゃおうかな」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

423人が本棚に入れています
本棚に追加