424人が本棚に入れています
本棚に追加
「ざーっす」
「おはよう、森嶋くん」
あんな積極的に迫って来たクセに、
余りにも変わらないその態度に
思わず拍子抜けしてしまう。
…ん?
貴方の席は2つ向こうのシマですよ。
澄ました表情で、
森嶋くんは私の隣席に腰を下ろした。
それから手にしていた紙袋から
ゴソゴソと丸い物を取り出す。
「えっと、メロンパン?」
「違いますよ。
期間限定販売の瀬戸内レモンパン」
「レモン…パン…」
「メロンの部分がレモンなんです」
「いやいや、メロンの部分ってどこよ」
「アミアミのとこですよ」
「いやいや、分かったけど
なんでココで食べるの?」
「自席で食べたらきっと、
百田さんが半分くれって言うし」
百田さんというのは、
ポッチャリ系の中年男性で。
食べ歩きブログを毎日更新するような
くいしんぼキャラの人である。
「ああっ、そうやってポロポロ零す~!
それ、平さんに見つかったら殺されるよ。
すっごく神経質だからね、あの人」
「雅さんって、朝からよく喋りますよね」
も、森嶋くんって…。
なんだか新人類みたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!