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せめてこの状況について知りたかったが、悩むだけ無駄なのか。
ひとまず言われた通りにしよう。
列の歩みは遅かった。
10秒おきくらいに1人分詰められていく感じだが、余りにも待ち人が多すぎるのだ。
ヒマつぶしがてらに周りの連中と話そうとしたが、それは無理な相談だった。
「もしかして、世界中の死んだヤツらが集まってんのか?」
ここは異様なほどに国際色豊かだった。
西洋、中東、ラテンにアジアン。
さながらインターナショナル・スクールみたいだ、通ったことねぇけど。
彼らの大半は泣いていた。
言葉はわからんが、きっと自分の運命を嘆いているんだろう。
遺してきたモノに未練が断ち切れない様子だ。
そして、それはオレとて同じこと。
「そう、味噌。味噌だよお前。せっかく買った赤白合わせの3種……。一口で良いから食いたかったなぁ」
死ぬにしても、コレクションたちと別れを済ませたかったもんだ。
特に新入りの3点。
アイツらの味を知らずして旅立つなんて、こんな不幸があるだろうか、否無い。
「はい次の人。ゲートくぐって」
「……ふぇ?」
「アンタだよアンタ! 良いからさっさとくぐってくれよ、後がつかえてんだ!」
考え事をしている間に、いつの間にか列は大分進んでいた。
目の前にはアーチ状のオブジェがある。
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