勇者にはならない

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勇者にはならない

 10才の頃、教会の牧師や役員達が突然、家にやって来て言われた。 「早朝、神から啓示がありました。君には世界を救う勇者になる素質があると。勇者になって、世界にはびこる魔物を討伐する訓練を受けてはくれませんか?」 「勇者? 魔物を討伐? 嫌だよそんなの」 「どうしてです?」 「だって大怪我とかするんでしょ? 長時間歩き詰めなんでしょ? 何より厳しい訓練。 そんなの嫌だ!」 「ですが、勇者適性を持つ者は本当に稀(まれ)で、非常に人数が少ないのです。どうかよく考えて…」 「嫌だ! 僕は勇者にならない!」
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