Ⅰ 

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Ⅰ 

 けたたましいアラームが部屋中に鳴り響く。 目障りな音を聞きつつ、モゾモゾと布団の中を蠢く。今日は一段と冷えていた。昨日の天気予報では、雪が積る可能性があるとか言っていた気がする。寒いのが苦手な私に、何たる拷問なのだろうか。布団の中でため息を吐く。   しかし、いつまでも布団の中で蠢いていたら学校に遅れてしまう。 それに、アラームも煩いのでそろそろ起きることにしよう。   そう決心した私、桐生(きりゅう)(あい)は布団の中から勢いよく起き上がる。鳴り続けている目覚まし時計はドレッサーのところに置いてある。何故、ベッドの近くに置いていないのかというと、昨日の夜、『そうしなければ起きないから』と思い故意に置いたのだ。昨日の自分を恨みたいなんて思いながら、ドレッサーの前にある目覚まし時計を止める。その横に垂れ下がっているカーテンを開けると窓には霜が掛かっていた。霜を手擦ると、銀色の世界が青い瞳に映る。やはり、雪が降っていたか。通りで寒いわけだ。その光景を後にし、私はクローゼットへ向かい、中から制服を取りだした。 時代は22世紀。日本の技術は、昔よりも大幅に進歩していた。技術が発達した日本は、AIと人間の見た目の区別がつかないくらいの技術を持ち、世界から注目を浴びていた。それと同時に科学と魔術を混合させ、より良い日本にする計画を政府は立てた。魔術は非科学的だが、それを取り入れることで、より良い日本を築き上げようとしていたのだ。 しかし、現実は甘くなかった。政府は早速数人の有名魔術師たちに協力を求めた。魔術師たちはそのことを良いように莫大な資金を政府に求めたのだった。政府は甘んじてそれを受け入れてしまった。 そのことがニュースに流れると、市民は不満の声を上げた。その理由は、資金は市民の税金で支払われているからだ。このままだと、日本が良い国になる前に魔術師に潰されてしまう。そう思った市民は魔術師たちを日本から追い出そうとした。私の両親も魔術師であり、その追い出しに巻き込まれて亡くなってしまった。なので、現在私は一人暮らしの身である。
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