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家に戻り夕食を済ますと、時刻は9時を回っていた。今日の夜に犯人と遭遇するといっても、時刻は定かではないため、何時に夜道を徘徊していいか分からない。警察が夜回りしている時間に出たら補導されてしまう。それに、外は雪が積もっている。冬の寒さ+雪=普段より寒いという公式が、私の脳裏で成り立つ。あまり長時間出歩かない方が良いだろう。
私はノートパソコンを開き、『女性連続殺害事件』の詳細を調べることにした。今までに殺害された女性たちの死亡時刻を調べるためだ。幾つかのサイトを引っ張り出し、情報を集める。
最初の被害にあったのは、23歳の事務員。死因は心臓をナイフのようなもので一刺し。死亡時刻は午前2時。手首には古そうな引っかき傷が残っていた。
2人目の女性は19歳の大学生。これも死因は心臓に一刺しだ。死亡時刻は午前1時半。こちらも手首に古傷のようなものが残っている。
3人目の女性は、40代主婦。死因は一刺し、こちらは何カ所か傷を負っている。犯人と争った為に出来たとされる傷もある。死亡時刻は午前2時過ぎ。顔に火傷傷が残っている。
それから他の被害者の死因を調べるが、同じように一刺しばかりだった。つまり、犯人は刃物しか使わない。魔術も使えない市民、ということか。魔術師かもしれない、と疑ったけどそれは無さそうだ。魔術師なら、術を使えば殺せてしまう。わざわざ足跡を残すような犯行をするとは思えない。
それよりも気になることがある。全ての被害者の身体に古傷が残っていることだ。この古傷は事件と関係しているのだろうか。犯人は顔に古傷を負った女性しか殺害していない。だけど、被害者たち同士は面識もないと記事に記載されている。無差別だとしても、何かが引っかかる。
やはり、犯人に会って直接訊くしかない。犯行時刻は午前1時半から2時頃。その時間に夜道を歩けば、きっと出会えるはずだ。
私は最終チェックをするために、持ち物を確認した。
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