賄い隊 水城心音

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さんぐらすの狩衣姿の男が、山葵を手に持っていた。 隣に白黒模様の牛の着ぐるみを着た子供もいる。 「じゃっどん、勝手に採ったらいかんて。自然に生えたもんじゃないかい。誰かが栽培しちょっとよ」 「そうですね。お金置いていきましょうかね」 泥棒ではないらしい、二人のやり取りを眺めていると、川岸の笹が揺れて鬼が顔を出した。 割けた唇から牙が覗いていた―――― 「危ない!逃げろ!!」 二人へ叫びながら馬上から銃を構えて引き金を引いた。
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