ナイフを手にした青年

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ナイフを手にした青年

俺は高校生の頃、ずいぶんと不良をしていたと思う。 田舎から親父の仕事の都合で都会にやって来た。その解放感が、少なからず俺の素行の悪さに影響していたはずだ。 自宅は中心街からずいぶんと外れた、ボロいアパートで、これはコンプレックスでもあった。頭の良い高校に入ったのは良いものの、皆きらびやかな生活を楽しんでいて、俺だけ孤立している気分であった。 このコンプレックスと疎外感が、俺の不良少年としての生活に拍車をかけた。 不良仲間のケンカに混ざったり、教師を煽ったりするのが日常となったのだ。慣れというのは怖いもので、最初は嫌々だった俺も時間が経てば経つほど、それが普通となってしまった。
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