2 行く人

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2 行く人

ー 波の音が聞こえた。 確かにすぐ近くで聞こえている。 (ここは…海? 海の近くにいるのか?) 視界が真っ暗で目が開かない。 体を起こそうとしても力が入らない。 (何なんだよコレ…) 手だけは動かせるので、 恐る恐る手を上に伸ばしてみた。 手を振り辺りを探る。 手のひらが温かく感じた。 『…ん?何か……ある??』 ー ッパ!! 『……!!』 目が開いた。 視界に入って来たのは 自分のピンと伸ばした両手と いつもの自分の部屋の天井… (天…じょう…?) 『夢…か?!… なんだ?今の夢…変な夢。 新種の金縛りかよ?』 頭をガシガシ掻きながら ふと枕元の時計を見た。 『ゲェッ!?4時!!? 夢なんか見てる場合じゃねえ!! マジで寝なきゃ明日起きれねえ!』 布団をかぶり直し急いで目を閉じる。 『それにしても…あの温かいの…』 呟きながら、ブンブンと頭を振った。 (やめやめ…明日遅刻したら洒落にならん…) キツく目を閉じ考えを振り払う。 悶々とする頭をよそに 間もなくして眠りについた。
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