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すくいあげたホシヒトデを
自分の白い襟元の大きく開いた
ワンピースのポケットに仕舞いこむ。
『少しだけ我慢しててね。
じき夜が来るわ。』
辺りをキョロキョロ見渡すと、
浜辺を目指し歩き出した。
ー サク、サク、サク、サク
『なんだか今日は一段と
素敵な夜になりそうね。
向こうは一体どんな夜かしらね…』
薄桃色に近い紫と、藍色に近い紫が、
オーロラのように連なり混ざり合う空を見上げ
立ち止まり、誰にいうでもなくそっと呟いた。
しばらく見透かすように空を見つめた後、
少女は再びゆっくりと歩きはじめた。
この星の夜がすぐそこまで迫っていた。
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