3 歩く人

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すくいあげたホシヒトデを 自分の白い襟元の大きく開いた ワンピースのポケットに仕舞いこむ。 『少しだけ我慢しててね。 じき夜が来るわ。』 辺りをキョロキョロ見渡すと、 浜辺を目指し歩き出した。 ー サク、サク、サク、サク 『なんだか今日は一段と 素敵な夜になりそうね。 向こうは一体どんな夜かしらね…』 薄桃色に近い紫と、藍色に近い紫が、 オーロラのように連なり混ざり合う空を見上げ 立ち止まり、誰にいうでもなくそっと呟いた。 しばらく見透かすように空を見つめた後、 少女は再びゆっくりと歩きはじめた。 この星の夜がすぐそこまで迫っていた。
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