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レオナルドは天を仰ぎながらそう呟く。彼の黄金の瞳は、好奇心に満ちてきらきらと輝いていた。
ラベンダーの香りを胸いっぱいに吸い込むと、空に浮かぶ大小さまざまな雲が眠気を誘う羊たちに見えてくる。ぽかぽかの陽光と馨しい花の香に包まれれば、猫でなくてもあくびの一つは出ようものだ。綿花のような雲を見上げながら、レオナルドはそのままうとうとと心地よい眠りに落ちようとしていた。
しかし、ひと時の惰眠は突然の呼び声によって中断を余儀なくされる。
「レオ様ー! レオナルド様ー! どこですかー?」
遠くの方から彼の名を呼ぶ誰かが近づいてくる。何か要件でもあるのか、急いで探し回っているようだ。
「ふゎぁあ、お昼寝したかったのになあ……」
眠い目をこすりながら、レオナルドは後足二本でその場に立ち上がって、走ってやってくる馴染の顔を見つけた。
「おーい、ここだよー! ジェフリー、そんなに慌ててどうしたの?」
ジェフリーと呼ばれた革ベストのネコはレオナルドの姿を見つけると、息を切らして駆け寄る。途中で転んだのかグレーで縞模様の毛が土で汚れていた。
「はあ、はあ、レオ様、急いで城にお戻りください。王がお呼びですよ」
「父上が? 大事な話があるなら夕食の時でもいいのに」
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