ドロー・ドロー

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 どっちが勝者でどっちが敗者だとか。 どっちが優位でどっちが劣勢だとか。 「──女の子って色んな意味で凄いよねぇ」  と、私の彼氏である中村篤(なかむらあつし)──アツ君がアイスを齧りながら言う。 帰り道のコンビニの前は同じ学校の子達がわらわら。 三十度を超える気温が続く毎日では、誰もがこうして冷に群がる。 「色んな意味?」 「レーコさんはクールビューティーでしょー? そんでー──」  こんな汗だくのクールビューティーがいてたまるか、とレーコさんこと私──今井麗子(いまいれいこ)はソフトクリーム風アイスクリームを齧る。 アツ君はソーダ味のアイスキャンディーで青色がもう涼し気だ。 そんなアツ君は暑いというのにくっついてきた。 人が多いから寄れという事か──違う、ひそひそ話だった。 髪を耳にかけて、どうぞ、と傾ける。
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