ドロー・ドロー

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「レーコさんは照れ屋だなぁ、そういうとこも可愛いんだけどねー」  あーあーあーあーあー、あーっ。  体温上昇、周りの気温もきっと上昇中。 狙ってるのかと思いきやそうでもないし、でもそうやって言ってくれるのは嬉しいし、かといって毎回こんな風に困る──ような、困らないような。 だってアツ君は微笑んでいるから。 決して私を茶化しているわけではないから。  外はまだ黄色い。 黄色くて遠くが揺れてる。 ソフトクリーム風アイスクリームも早く食べないと溶けてなくなりそう。  私、みたいに。 「……アツ君は、私の愚痴とかないの?」  口下手で、口数が少ない私だ。 クラスの子が言っているのを聞いた事がある。 まるで氷の女王とそのしもべって感じだよね、と。 それを私に教えて何がどうなの、と思ったのだけれど、そう見えるのか、なんて評価が気にならないわけでもなくて──。
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