第6章 彷徨う気持ち

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ぼんやりする頭で此処が何処かを考える。 目を開けると、見た事の無い部屋に居て周りは見覚えの無い物ばかりだ。 「桃枝さん?起きました?」 優しく話し掛けてくれたのは直前まで話していた御剣さんで、心配そうに私の髪を撫でると額に手を当てた。 ヒンヤリしている手が気持ち良くて御剣さんの手に手を重ねた。 「気持ち良い・・・」 「っ、寝惚けているのなら起きて下さい。急に倒れて心配したんですからね」 「すみません、心配かけて」 離れていく手を残念に思っていると御剣さんは私を見て、困ったような表情をした。 御剣さんは私の事が嫌い、なのかな。 一緒に居て楽しいって感じるのは私だけで、御剣さんは私の事を友達としか思って無くて、だから心配してくれるの? 「どうかしたんですか?」 「私・・・・・・・・・御剣さんが好きです」 友達として好きなのか異性として好きなのかはハッキリしたのに何だがむず痒い。 だから、お願い・・・・・・返事をして下さい
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