第2章 慰めてくれたのはクールな男性?

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言われた部署に行くと、そこには昨日ハンカチを貸してくれた男性が居て私は軽くお辞儀をして男性の元へ向かった。 「あ、あの!」 「どうかしたんですか?」 「少し話があるんですが・・・お忙しいでしょうか・・・・・・?」 恐る恐る聞いてみると男性は黙って立ち上がると休憩室へと足を勧めた。 付いていくようにして私は休憩室へと向かった。 《休憩室》 中に入ると男性は私をジッと見ると、昨日のように優しく微笑んだ。 「それで、どうかしたんですか?」 「返したい物があって・・・」 私はポケットから昨日借りたハンカチを取り出して男性の前に差し出すと、男性は驚いたような表情で私を見ていた。 もしかして、迷惑だったかな?忙しい時に物を返す為に時間を取らせちゃって申し訳ないな・・・ 「これを返す為にわざわざ私の所に来たんですか?」 「迷惑だったでしょうか・・・」 「いえ。貴方はとても真面目で良い人ですね」 俯いていた顔を上げると、また優しい表情で昨日のように優しく私の髪を撫でてくれた。 やっぱり、その手は暖かくて安心出来る温もりで、ボーッとしていると男性はハッとしたように私の髪から手を引いた。 「すみません、失礼しました」 「大丈夫ですよ。それより、昨日は本当にありがとうございました」 「お礼なんて結構ですよ。少しは気が晴れたのならそれで充分なので」 「あの・・・お名前を聞いても良いですか?」 失礼だったかと思い謝ろうとすると男性は、ふっと笑を漏らして言った。 「御剣涼真です。貴方は?」 「わ、私は桃枝春香と言います。」 「桃枝さん。わざわざ、ありがとうございました。・・・貴方の真面目で優しい所は昔と変わってませんね」 最後の方が聞こえずに聞き返すと御剣さんは私の髪を一撫ですると休憩室から出て行った。 私は友達から聞いた人とは違う、優しい人だな、と思いながら休憩室を出た。
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