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(おれも)
大学で、美瑛と出会い。
『学生』で『無職』だというのを理由に結婚を反対された挙げ句、美瑛の両親に反目するかのように子供を授かった二人の仲を認めるよう説得するため、骨を折ってくれた学。
結局、心労がたたって最初の子を流産してしまったのをきっかけに、美瑛の両親が態度を軟化させたことにより、宏志たちは夫婦となれたのだ。
だから、そんなこともあった自分が、父親に何の苦労もかけず独り立ちできたとは、口が裂けても言えない立場だけれど。
それでも。
「愛し合ってる二人の仲を裂こうとする行為は無意味だっていうのを、知らない訳じゃないでしょう」
そう言って、説得し続けることが自分の『役目』だと思って、正月の三が日が過ぎても、笠井の暖簾を潜りに来なかった学の元へとやって来たのだが。
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