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真夜中の親子
我が家の息子は今三歳。甘えん坊で、夜中に目が覚めて一人きりになっていると泣いてしまうので、毎晩添い寝は必須だ。
今日も一緒に布団に入り、手を繋いで寝た。
それから何時間くらい経っただろうか。
まだ辺りは位から夜中の内だと思う。
息子が目を覚ましたらしく、もぞもぞと懐にすり寄ってきた。
ぎゅうと抱きかかえ、安心させるために背中を撫でる。
ママはちゃんと隣にいるよ。まだ暗いから朝までぐっすり寝んねしようね。
心の中でそう囁き、こちらもまたうつらうつらし始めた時、背後から大きな泣き声が響いた。
「ママ! ママ!」
夜中に目を覚ました時、見える範囲、あるいは触れている位置に私がいないと息子はそう泣き叫ぶ。
その声が背中の向こうから聞こえてくる。
間違いない。後ろにいるのが息子だ。それだけは母の本能で確信できる。
だとしたら…今私が腕に抱えているのはいったい誰だろう。
真夜中の親子…完
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