第一章 穴

5/6
前へ
/6ページ
次へ
「そのヘビは、エレファント・スネークと呼ばれる。通称、エレクだ。スネークは、さっき言ったヘビの英語読みだ。エレファントは、なんだと思う?これも、動物園で見た生き物だ。ヒントは、大きな灰色の体を持つ生物。」 「そしてそれは、鼻が長い。」 僕は少し父さんの口調を真似をして言ってみる。 そんなとき、父さんはいつも困ったように笑う。でも、そのときは違った。表情を変えずに話を続ける。 「彼らの、エレクのもつ毒は、それはもう強力で、一度噛まれるとあのアフリカゾウでも一瞬で息絶えるほどだ。」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加