第2話

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第2話

その年は異常気象で、全国各地でものすごい雨が降り続いていた。 入院した日からずっと雨。 その雨が、1週間ぶりに止んだ。 気晴らしに、少し外出をした。 いやらしい気はしたが、話すきっかけに何かお菓子を渡してみようと思った。 コンビニで最中を買って帰った。 タイミングを掴めずにいた時、おばあちゃんが窓越しに外を見に出てきた。 『今しかない、、、。』 最中を手に、おばあちゃんに声をかけた。 「これ、よかったらどうぞ。今日少し外出したので、、、。」 役者のオーディションなら即落ちだ。 けれどおばあちゃんは、そんな私の手を握って、 「嬉しい。ありがとう。」と、言ってくれた。 なぜか涙が出そうになり、それを必死でこらえた。 おばあちゃんは、私が知っている話を何度もしてくれた。 いつもカーテン越しに聞いていた話。 その間ずっと、私の手をきつく握っていた。 同じ話を聞いているその時間が、とてもあったかくて幸せだった。 カーテンはもう、開いている。 部屋も、心も。
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