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「不思議も何も突然の転校だったから、仕方がないんじゃないのか。アルバムだって別に不思議じゃないよ。僕が転校していないから態々僕の写真を使う意味無いだろ」
「そうさ。不思議じゃない。お前がメインの写真を使わない事なら有り得る話だ。でも、この写真見てみな」
クラス全員で取った写真。
写真の真ん中で口をあけて笑い上から糸で引っ張られた操り人形のような謎のポーズをとる化粧坂海彦の姿。
「何だ。化粧坂海彦がセンターで一人楽しそうに笑う写真だろ。別に変な所なんてないじゃないか」
その答えの海彦は溜息を吐いた。
「覚えていないのか、その真ん中に居る俺の着ている服をよく見て見ろよ」
はい。と虫眼鏡がポケットから出てくるあたり、この写真を見せたかったのだろう医師が伝わる。それにしても、虫眼鏡を持ち歩いているのは探偵位だと思っていたが、流石である。
「あ、これ、僕のだ」
「そう。名札にはきっちり名前がついているのさ。汚い字で井上琢磨」
「なんで僕の服着てんだよ。変態かよ。パクられたのか僕の服は」
二人の溜息が聞こえる。
呆れられている。後何度溜息を吐かせることになるのだろう。
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