消えた悪魔と同窓会

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「この写真を撮ったのは春だ。琢磨まだこの学校に居ただろ。覚えてないのは仕方が無いとして、これは俺が給食ぶちまけて着る服が無いから貸してくれたんだぜ。割と嬉しい思い出の一つだったんだけどな。ちなみに琢磨は家が近いから昼休みの間に服を家に取りに行った」 覚えてないか。少し寂しそうである。 「何となく覚えているよ。でも写真に僕は居ない」 「そうさ。中心に俺が居るだろ。その横に丁度一人分のスペースがあるんだが、お前この時俺の横に居たよな。でなければ俺のこのポーズは変だ」  俺たちは肩を組んでいたんだぜ。 「うん、なんかそんな気がしてきた。でもなんで僕写っていないんだよ。幽霊なのか」 「一応昨日こっそり盗撮したけど、写真には写ってるから、安心したまえ」  のぶ子先生に叫ばれ唖然とした表情の自分の写真。 「ちょうど朱未がこの学校で働いていたからさ。昔のもの色々と探してもらっていた訳さ。でさ、教師の資料の中に、お前が亡くなったから写真など加工させたらしい書類も見つかった訳だよ」 亡くなったからって、亡くなっていない。 「まぁそんな事はどうでもいい」 「どうでも良くないだろう。そりゃ昨日の皆の顔の意味が分かったけど、のぶ子先生まで僕を死んだ者として認識してるのかよ」 「先生たちは葬式にも出たって噂を聞いているわ」  白旗朱未は六年二組香典回収表と書かれた物騒な紙をひらひら揺らしている。     
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