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「さすが悪魔くん、だから好きだよ。琢磨最近女子の間ではやっている噂って知ってるかい」
「ふふ、悪魔だぜ。僕は」
クラスの女子が僕を悪魔くんと呼んでから時々呼ばれる。何故かは分からないがカッコイイ。
「その噂を噂じゃなくしようと思うんだ」
楽しそうだ。そんな事ならばボール探しの時間は要らなかったのでは無いだろうか。先まで気に入ってたのにと嘆いていた筈だが、コロコロと表情を変える。
「で、どの噂だっけ」
「お前悪魔なんじゃないのかよ」
「うーん。誰かが縦笛を放課後に狙ってるとかだっけ」
「違う。そんな噂は知らん。それに会話の流れだと俺たちが縦笛を狙う事になるぞ。のぶ子先生に怒られるだけならどうでもいいが、なんかそれ犯罪者になりかけだよ。そんな奴が大人になったら全身黒づくめで小学校の校門とかに隠れている変態になりそうで末恐ろしいぞ」
確かにそうだ。もし仮に、小学校の校門の前に黒ずくめの男が隠れていたら警察を呼ぶだろう。
そんな大人にだけは成りたくないよなと二人で頷く。
「学校の怪談だよ」
「そんな幼稚な噂流れたかなぁ」
「お前悪魔なんじゃないのかよ。幽霊と同じくらい」
少し間が空き、幽霊と同じくらいカッコいいよなと化粧坂海彦は言う。
「なんだよ今の間は、海彦も悪魔くんになりたいのか」
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