ハナのシゴト

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ハナのシゴト

 「全部ワタシのせいだ。」 今まで起きたこれらの災厄はずべてワタシの「仕事したい」好奇心によるものだ。 いや、「何かに役立てたい」という善意が皮肉なことに正反対の結果につながっただけかもしれない。あれこれと思い悩むままに、いつの間にか「ろくでなし」が罪悪感に変わっていった。  でもやっぱりやりたい、なにかを。 この決意に奮起されたワタシはハナに近寄った。 ベルベットドレスのツヤ出しにせいいっぱいのハナは、 「これなら絶対にできる。きれいな洋服さえあれば、じっとしているだけでいいから」 と自分に言いかけるワタシを見て、微笑みながら照れくさそうにお辞儀した。 「え?ハナになりたいの? ハナになるにはね、雨にも負けず、風にもくじけない強さがいるのよ。 それに、もうすぐ冬やくるわ。」 ハナは近い未来に対する不安を隠そうとしなかった。 この花園の冬はとても寂しいものなのだ。 動物たちは巣にもぐって長い眠りをし、 花や草はみんな枯れて、葉っぱを一枚残さない木だけが静かに春を待つ。  でもワタシはこんな冬も乗り越えられる気がした、そしてやって見せようと決めた。 次の日からワタシは王様のように紫のビロードをまとい、 また親衛隊のように、動くことなくビシッと立っていた。 立ちっぱなしで、日月が転倒するくらいくたびれてしまったが、 こんな珍奇なハナを見つめるまなざしとみんなの心で湧き上がる勇気が 何よりもやりがいを感じさせた。  ワタシはやっとのことで、シゴトができたのだ!
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