26.二人の秘密の生活を続けよう!

2/4
198人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
朝、目が覚めると、隣で由紀ちゃんがまだ眠っている。ウイークデイの朝は大体僕の方が先に目が覚める。電車が混むので二人とも早めに出かけるが、起きるのは6時にしている。まだ、5時半を過ぎたばかりだ。 僕は早く目覚めて隣で眠っている由紀ちゃんの寝顔を見ているのが好きだ。このごろは離れて眠るようになったが、ここへ来たばかりのころは、いつも腕の中にいた。本当に安らかな顔をして眠っている。よだれをたらしていることがある。それをそっと吸い取ってあげる。 休日の前の晩は僕のお腹の上で寝かせてくれということあるが、もう飽きたと見えてそれは少なくなった。そんな時は寝た気がしないが、なくなると少し寂しい。 6時に寝坊防止のための目覚ましが鳴る。夏の間は朝が明るいが、今のように秋も半ばになると6時はまだ暗いから、二人とも寝過ごすことがある。 由紀ちゃんは寝覚めが悪い。身体を起こすがしばらくはボヤーとしている。その間に僕が先に洗面所で身支度を整える。そして、朝食を作る。 遅れて由紀ちゃんが身支度を整えて、二人分のお弁当を作ってくれる。僕は朝食の準備を整えると、洗濯機から昨晩に入れて洗濯して乾燥された衣類を取り出して折りたたむ。 それから二人そろって朝食。食べながら今日の二人の予定を確認する。食事の片づけは由紀ちゃんがしてくれる。そして7時半までには出勤する。それ以後になると電車が混んで乗れなくなる。 由紀ちゃんはずっとお弁当を作っていたので、それを続けているが、手数は同じだからと僕の分も作ってくれることになった。 どこでこれを食べるか、まさか一緒に食べるわけにもいかないので、自分の席でこっそり食べている。急に弁当持参になったが、健康のために自分で作ったことにしておいた。でもなかなかおいしい。 生活費だけど、家賃は今までどおり、僕の負担にしている。食費と光熱水費は折半にすることにした。他は大体僕が負担している。これで由紀ちゃんの貯金が増えている。 ただ、僕の出費は一人でいたころとほとんど変わっていない、むしろ減っている。昼食はお弁当だし、外食が減ったし、仕事を終えるとすぐに家に帰るから、飲む回数も減っている。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!