26.二人の秘密の生活を続けよう!

3/4
200人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
帰宅は大体僕の方が遅くなる。早く帰った方が夕食を準備することになっているが、ほとんど由紀ちゃんがしてくれている。それに、僕が遅くなっても食べないで待っていてくれる。だから、早く帰るようになるし、いつもメールでの連絡が欠かせない。 帰ってからの食事の準備が負担になっていないか心配しているが、料理は好きだし、いままでも自炊して来たから大丈夫と言っている。その代わり、食事の後片付けは僕が必ずすることにしている。 僕の寝室にはセミダブルのベッドがあったが、それでは二人がゆっくり眠るには少し狭いので由紀ちゃんのシングルベッドを入れた。結果、ダブルベッドよりも大きくなり、寝室はほとんどベッドの間になった。 それから、愛し合うのは週末に収束して来た。由紀ちゃんが僕の部屋に引越ししてきたときはほとんど毎晩だったけど、気持ちの行き違いも出てきたので、お互いに週末に集中した方が良いと考えるようになった。 土曜日はどこかに出かける予定がなければ、遅くまで寝ている。気が向けば愛し合うこともある。でも9時くらいには起きて朝食を摂ってから、二人で部屋の掃除と洗濯をする。 日曜日もほぼ同じ感じ。休日に二人で出かけた時には外食して帰ることにしている。出かけない時は食事を僕が作る。休日ぐらいは由紀ちゃんをゆっくりさせてやりたい。 由紀ちゃんは会社では相変わらず地味なスタイルにこだわっている。ど近眼なので家ではメガネをかけていることが多い。二人で外出するときはコンタクトに替えている。メガネの由紀ちゃんも結構可愛く思えるようになった。 1か月も経たずに二人の生活は落ち着いて来た。僕は心の安らぎが得られて仕事にも張りが出てきた。由紀ちゃんも仕事を張り切ってこなしているみたいだ。 僕は遅く帰ることが多いけど、待ってくれている人がいるというのはいいものだ。一人暮らしの時は帰るとまず冷えた部屋の暖房を入れた。でもいまは明かりが灯っているし、部屋も暖かい。 それだけでも疲れた心身を癒してくれる。まして笑顔で迎えてくれる人がいるなんて、玄関に迎えに出てくると思わず抱き締めてしまう。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!