1.地味子ちゃんの恋の相談!

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「朝、昼、晩の食事を規則正しく摂ること、お腹いっぱいになるまで食べないで腹8分位にすること、炭水化物、脂肪、たんぱく質、ミネラルをバランスよく食事に入れること位かな。それと間食は取るにしても午前10時と午後3時に少量だけにして、夜食は原則なし。これに気を付ければ徐々にスリムになってくるし、楽に続けられると思う」 「そんなには難しくはなさそうですね」 「僕はこれを気にかけているから、入社以来、体重の増加はほんの僅かで、スーツも同じサイズだ」 「分かりました。言われたとおりに今日から早速やってみます」 「今日からと言うところがいいね。毎日の3食と間食など食べたものを書き出すといいと思う。それを見て直すべきところを教えてあげる」 「お願いします」 「それから、衣料とか、化粧とかは同期の野坂さんに教えてくれるように頼んであげる」 「あの広報の野坂さんですか?」 「ああ、同期で時々飲んだりしているので頼んでみてあげる。都合がつくときにショッピングにでも付き合ってもらうといい」 「お願いします。あの野坂さんなら指導者として申し分ないです。是非頼んでみてください」 「じゃあ、ダイエット頑張ってみて、できるだけ力になるから」 「お願いします」 「それに加えて必要なのは運動だ。朝起きたらベッドの中で、すぐに腹筋30回、腕立て伏せ30回以上はすること。出勤時は一駅手前で降りて、徒歩で出社すること。帰りも同じに。それから」 「まだあるんですか?」 「歩くときは腹式呼吸で、お腹が引き締まるから」 「先輩もこれ全てしているんですか?」 「ああ、いつも気にかけて実行している」 「先輩がスマートなのが分かりました、規則正しい食事と運動ですね、絶対にやり抜きます」 「じゃあ、ここらで引き上げるとするか?」 「ママ、お会計をお願いします」 「もう、おかえり?」 「今日は後輩の相談を聞くために場所を借りただけ、また来るから」 「お待ちしています」 まだ、時間が早いし、このまま一人ここに残るわけにもいかないので、日を改めることにして、今日はこのまま帰ることにした。 地味子ちゃんとは帰る方向が同じなのが分かっている。住まいは極近くで2駅向こうの梶ヶ谷だと聞いている。 高津で先に電車を降りたが、地味子ちゃんは意を決したかのように真剣な顔つきで帰って行った。
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