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「佑樹はそんなこと考えたこともなかったかも知れないけど。
私は好きだった、ずっとずっと小さいときから好きだった。
勉強教えるのも登校するのも一緒にいられるのが楽しくてしょうがなかった。
それは今だって変わらない。」
一息ついて、やつの瞳をしっかり見据える。
「幼なじみとしてじゃなく、女子として見て欲しいの。」
言った。
ずっと隠しておこうと思っていた本音。
佑樹の唇から言葉が零れる。
「本気?」
こくりと頷く。
「佑樹が好き」
「何時から?」
「小学校の時から」
「……じゃあ僕の方が上だな」
やつが足早に私に近づく。
「僕は母さんのお腹にいるときから栞のことが好きだったから」
抱きしめられる?
と思ったら私の脇のマイクを掴んだ。
「あー、そういう訳で、本日より一年B組笠谷佑樹と、二年A組神田栞は付き合うことになりました。何卒皆さん温かい目で若い二人を見守ってください。以上」
え?
佑樹の指がパチンとスイッチをオフにする。
「さっきしほりネエが鞄振り回した時にスイッチ入ったんだよ」
嘘。
足から力が抜けてく。
崩れそうになる私をやつの腕ががつっとホールドした。
「これで事実上学校公認カップルだな。
やっと通じた。
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