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「ねえ、やっぱり彼と付き合ってるんでしょ」
「付き合ってない」
それよりもこの構文、どうにも意味が通じない。
電子辞書でもう一度調べてみないと。
「そう?でもしほり、他の男子に対する態度と全然違うけどな。」
「同中だし、委員会で一緒だったから。
うちからこの学校来てる子少ないから甘えてくるのよね。
……そんなこと言ってる内に休み時間終わっちゃうよ、ナル」
ナルはどうにもこうにも私と佑樹をくっけたいらしい。
でも、それはない。
「勿体ない。あの王子に心奪われているのは既に一年女子だけではないというのに」
ピクリ。
シャーペンを握る人差し指が痙攣を起こす。
「中学でもモテたんじゃない?あのタッパとあのお顔」
「さあ。よく知らない。一年に聞けば?」
「一年男子捕まえて?やだよ恥ずかしい」
ナルが両手を挙げる。だろうな、この子は口で言うほど軽くないから。
あった、kitty。子猫、はそのままの意味。
それ以外の意味は、と。
ホントは知ってる。
ファンクラブがあったこと。
元々私の中学からこの高校への女子受験者数はあまり多くない。
なんといっても遠い。
ここに通うくらいならもっと近いところにいくつもハイレベルの学校がある。
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