301号室

親父の入院している病院に週1日通っている。

平日は母親が着替えや洗濯物を届けに行くが、土曜日は学校が休みなので僕が行くようにした。

病室は301号室。6人分の患者のベッドが用意された大部屋だ。

その入って左手の奥。窓側に親父のベッドがある。

最初のうちは普段入る機会のない病室に場違いなワクワクした気持ちで入り、親父と1週間の出来事を話したりした。

だが正直何週間もお見舞いに来ていると作業のように感じてやや気だるくなってきていた。

今日もベッドの横に置かれた洗濯物を受け取って、かわりに持ってきた着替えを置いて帰るだけ。ついでに一言かわすかどうか。

いつもとなんの変わりも無いお見舞いのはず、、、だった。