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「ママ、ママー!」
「ごめんね、ママには会えないの。ちょっとお姉さんとお話ししよっか」
-やっぱり、この子は自分が死んだことわかってないんだわ。
こういう子どもにはケアが必要だと聞いたが、この大混乱。どこの神使も相手にしてくれるどころでは無さそうだし、頼れる身内である空と千草は突如戦闘中で、他の鉄や蒼、緑青たちはそもそもどこにいるのかさえわからなかった。
人知れず焦る瑠璃の腕をあきとは揺さぶった。
「違うよぉ、ママ、いたのー!」
少し膨れっ面で言った。
「えっ?」
瑠璃はこの少年の言っていることが上手く飲み込むことが出来なかった。
ーこの子、もしかして親子で亡くなったの?
2人一緒にここへ来るということは、ほぼ同時に死んだということになる。きっと火事や事故に巻き込まれたのだろう。
瑠璃は居たたまれない気持ちになったが、瞬時に気持ちを入れ替えてあきとに話しかけた。
「お姉さんがあきと君のお母さんのところまで連れてってあげるよ」
「本当?!ありがとう!!」
瑠璃の言葉を聞くなり、あきとの顔は輝いた。
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