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次の日も、その次の日も、おばあさんのところへ行けば、おいしいおやつやご飯をもらうことができた。
量は少ないけど、これで空腹で死ぬことはなくなったかな。
でも、どうしておばあさんは野良猫にご飯をあげるんだろう。
ご飯の後、おばあさんの家の庭で毛づくろいをしながら考えた。
他の猫たちはどこかへ遊びに行ったが、何匹かは庭に残って、まるで自分の家かのようにくつろいでいる。じゃれ合ったり、お昼寝したり。
おばあさんはその様子をニコニコしながらながめている。
時々、お洗濯や掃除をして、その合間にまた私たちを見にくる。
私たちはといえば、タダでご飯がもらえて、安全な遊び場があって、なんならここで眠って夜を明かしたっていい。
いつでもどこでも好きな時に外に出て、自由に生きることができる。実に都合のいい場所だ。
「物好きなばあさんだろ?」
この声には聞き覚えがあった。
公園で出会った灰色猫だ。この猫もご飯をもらいにきたらしい。
「くつろいでいるオイラたちを見るのが楽しいんだとよ」
眠っている猫たちの間に入って、灰色猫はあくびの後に眠ってしまった。
みんな安心してくつろいでいる。
この様子のどこがいいのやら。
しかし、安心はすぐに消え去った。
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