プロローグ

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どうしてみんな、俺を避けるの? どうしてみんな、俺を怖がるの? 前は一緒に遊んでいたのに、みんなお母さんに連れられて、どこかに行っちゃった。 「あの子とは遊んじゃいけない。」 そう言われるんだって、よく遊んでくれた子が言ってた。 どうして? この力のせい?? 前は「立派なヒーローになってね」って夢を応援してくれたお父さんとお母さんも、今は、俺が家にいると、悲しい顔をするんだ。 俺はこのままずっと一人ぼっちなの? もう、どうしたらいいか分からなくなって、1人でブランコに乗っていた時、「一緒に遊ぼう」って声が聞こえた。 顔を上げると、同い年くらいの男の子が立っていた。俺と同じで、力を持った子だった。 それから、仲良くなり、よく遊ぶ親友になった。 そして、ある時。 いつもと変わらず、2人で遊んでいたら、急に親友が立ち止まった。 「どうしたの? どこか痛いの?? 」 「なあ、俺決めたんだ。」 「何を?」 「俺は、ヒーローになる! だから、お前も一緒になろう!! 」 驚いた。驚いたけれど、嬉しかった。 「うん! 」 自分の力はヒーロー向きの力ではない。分かってはいるけど、嬉しくて、約束を交わした。 その後、親友は引っ越して行ってしまった。 俺は、約束を守るために、ヒーローにならなくてはいけないんだ。
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