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私の問い返しに、
「彼に愛されてる自信。と同時に、ひな乃の中にある年下のカレシを堂々と紹介出来ない自信のなさ」
違う? と言わんばかりに首を傾げて見せてきた彼女に、
「……別に、どっちもそんなつもりないけど」
けれども私の言葉の『言い訳』に気づいている彼女は私を見逃してくれる代わりに、
「ふーん、そうなんだ? ならいいけど」
嫌味だけは忘れずに言うと、
「まぁあたしはひな乃が後悔するようなことにならなければいいんだ。じゃあね、おっ先ー。また来週~」
そこで一緒に帰らないあたり、彼女としては週末くらい彼を待ってて一緒に帰ればという気遣いなのも分かってる。同じ中学出身者同士、家は近所と言えば近所なのだから。だけど。
彼の家に寄って帰るのも、私の家まで送ってもらうのも、私にとっては苦痛でしかない。最初の内は苦手だなとか、面倒だなとか思っていたくらいだったのだけど、きっと私、まだあの時の失恋のショックから立ち直れてないんだと思う、だから本当、最近では、専らラインだけしている状態で。
(私達、これで付き合ってるって言うのかな)
そんな私の不穏な予感は、夏休み前に的中した。
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