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「大層な夢だこと」
「相変わらず冷めてるな」
「仕方ないでしょ」
「月宮だって、その気があればなれるんだぞ。ポラリスに!」
なれっこない。なりたくなんかない。
みんなの中心にいるなんて無理。だけど、一人だとわからなくなる。
道が見えない。足元が透けてきている。
「月宮が迷わないように光っていてやるからさ、進んでみろよ」
「……どこへ? どこへ行けばいいかわからない」
「だから、ついてこいよ!」
「え?」
「違う大学行っても、違う場所に就職しても、お前のそばにいたい。月宮を俺の未来に連れていきたいんだよ」
どうしてだろう。
彼は、どうして私なんかを構うんだろう。もっと話していて楽しい人はたくさんいる。
私なんかといるより、有意義に過ごせるはずなのに。
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