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彼の決意は固まっていた。
悔しいけど、死ぬほど悔しいけど、私もそれがベストだと思っている。
それが彼のためだと思っている。
「あの子もお前のことは知っている」
「あら、そうなの」
彼がその子に私のことをどれだけ話したのかは知らないけれど、それはつまり、彼が今、どれだけ苦しんでいるかを知っているということ。
「あの子は、お前のことを知った上で、俺と一緒になると言ってくれた。
これからはお前に代わって、俺を支えると言ってくれた」
「そう」
私は気丈に返事をした。
精一杯の強がりを見せた。
内心、悔しさで爆発しそうだった。
それと同時に確かに存在する安心が唯一の心の平静を保った。
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