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「太一ちゃん、慎吾ちゃん、ご挨拶しなさい。お祖母ちゃんの福岡のお友達の、朝倉百合さんと孫のイサナちゃんよ」
リビングの入り口でぼうっと立っていた俺は、お祖母ちゃんの声に現実に引き戻された。
「こんにちは!」と、慎吾が元気いっぱいに挨拶した。
そうなんだ、こいつは初対面の、特に大人にはすごく愛想がいいんだ。
それでいつもいい子だと思われて、俺より得してるんだよな。
「はい、こんにちは。元気いいね。イサナ、あんたも太一くんたちに挨拶ば、しなさい」
お祖母ちゃんのお友達の朝倉百合さんは、人魚の孫にも俺たちに挨拶するように促した。
『太一』って、俺の名前を呼ばれてなんだかドキドキする。
挨拶したのは慎吾なのに、兄の俺の名前を真っ先に覚えてくれるなんて、百合さんはきっといい人にちがいない。
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