イサナと俺と夏休み

終業式が終わった。
長々と続いた担任の先生の夏休みの注意やら、心構えやらを、早く終わらないかとジリジリしながら教室でやり過ごした。

俺だけじゃない。

クラスのみんなもそうだけどな。

「太一！５時に郡山八幡宮でな！」

「おー！５時な！」

俺は靴箱で靴を履き替えるのももどかしく、幸太に返事をした。

いつもは俺たち仲間としゃべりながら、だらだらと帰り道を歩く幸太も、今日はいそいそと駆け出して行った。

明日から待ちに待った夏休みだ。想像するだけでもワクワクする。

なんたって毎日が休みだもんな。勉強しなくていいんだから。

俺も早く家に帰ってカバンを置いて、遊びに行こう。

俺も幸太の後を追って、急いで小学校を飛び出した。